動的光散乱法による無機粒子の粒径測定

動的光散乱法により、液中に分散したナノメートルレベルの粒子を分離することなく、粒子径・粒度分布を測定することが可能です。水媒体中のシリカ粒子、アルミナ粒子の粒径測定の例を紹介します。

測定原理

溶液中の粒子は粒子径に依存したブラウン運動をしており、粒子に光照射したときに生じる散乱光のゆらぎは、粒子径に依存します。このゆらぎを観測、解析することで、粒径、粒子径分布を求めることができます。

測定原理

測定結果・考察

市販のアルミナ、シリカの分散液をpHを調整して粒径測定を行った結果を以下に示します。

アルミナは、強アルカリ条件から中性に近づくにつれ、等電点に近づき、粒子表面の電荷が小さくなり、粒子間の反発が小さくなり、粒子の凝集が起こっていることが窺えます。シリカについては、強酸性側に等電点があると考えられ、pH 3~10の領域では、粒子の凝集が起こらず、50nm以下の粒径を維持しています。

アルミナ個数分布
シリカ平均粒径

応用例・その他の機能

本システムでは、乾燥状態の粒子を測定することはできず、測定対象の粒子が媒体に分散している必要があります。

カーボンブラックや有機顔料の分散状態の評価、機能性ナノ粒子の粒径測定やエマルションの分散状態の評価にも活用可能です。

今回は、粒径測定の例を紹介しましたが、本システムでは、分散粒子のゼータ電位を測定することも可能です。

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